『REFUNCT』 クオリティとはこういうものだ

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『REFUNCT』をクリア。実績は半分ほどしか解除していないものの、クリアまでのプレイ時間はおよそ30分。¥98で購入した作品なのでボリューム的な面で不満は感じない。寧ろ質の面では圧倒的なコストパフォーマンスと言うべきだろう。

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本作は一人称視点のパズルアクションゲーム。水面に浮かぶ様々な高さに隆起したパネルが広がるステージがプレイヤーの前に広がっている。モノトーンのパネルを踏むと、パネルは芝生が生えるように緑色に変化する。特定のパネルに配置された赤色のボタンを押すと、新たなパネルが水面から浮上する。全てのボタンを押して、全てのパネルが隆起し、全てのパネルの色を緑に変えればゲームクリア。いたってシンプルな作品だ。

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しかしこの質の高さをなんと評価すべきか。

一面に広がる水面、隆起したモノトーンと草色のコントラストが美しいステージ。この水彩画のようなグラフィックにマッチした音楽など、視覚、聴覚面における丁寧な演出が実に心地よい。聞けば開発者のDominique Grieshofer氏がBGMも含めて一人で開発したそうなのだが、その多才振りには驚嘆の念を禁じ得ない。特にBGMについては正に出色の出来と言うべきで、単体で聴いてもヒーリング・ミュージックとして高く評価できるほどの品質だ。

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パズルアクションとしても難易度は高くなく、それでいて簡単すぎない絶妙なレベルデザインとなっている。序盤は移動とジャンプだけで問題なく進めることが出来るが、徐々に隆起するパネルの高さが上がり、壁蹴りなどのバルクール・アクションを駆使して攻略を進めていく必要がある。本作にはチュートリアルが存在しないので、そのあたりはプレイヤーがプレイしながら把握していく必要があるのだが、特に詰まることもなく進めることが出来た。このストレスなくプレイできるように設計された難易度についても高く評価するべきだろう。

敢えて不満点を一つ挙げるとすれば、FPS酔いした点くらいだろう。本作とにかく左右上下の移動が激しく、おまけに操作性が非常に良い作品であるため、かつてなくFPS酔いした作品だった。これはゲームのデザインと操作性の良さとのアンビバレンツというべき点であるし、そもそも極めて主観的な感覚に起因する点でもあるので、本作の客観的な質の高さと評価に影響するものではない。

今どきの缶ジュースより安く買える作品ながら一切の手抜きが無く、操作、演出、ビジュアルの全てにおける高い品質。STEAMのレビューでも”圧倒的に好評”。なるほどと頷かざるを得ない作品だった。

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『SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE』 進化と深化を成し遂げた傑作の誕生

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『SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE』をクリア。全4種類のエンディングをクリアして、トロコンを達成するまでの所要時間は107時間。

堪能した。とにかくそうとしか言いようのないゲーム体験だった。ゲームプレイに、システムに、世界観に、シナリオに、キャラクターに、そのすべてを堪能した密度の濃い107時間。楽しかった、面白かった、という言葉では到底言い表せない。これほどの体験は同じくフロム・ソフトウェア作品である『DARKSOULS Ⅲ』以来だろう。事前情報をほとんど得ずにプレイした分、その思い入れは本作が勝るとすら言える。

ようやく全てのエンディングを達成した今、本作の魅力について語っていきたいと思う。

ソウルシリーズとしての”深化”

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『SEKIRO』は物語や世界観、シナリオ的な観点からは”ソウルシリーズ”ではないが、そのコンセプトやゲームデザインは”死にゲー”のパイオニアとしてのソウルシリーズの系統に連なる作品だ。ともに難易度の高いステージ攻略とボス戦で構成されたコンセプト、デス・ペナルティにより生まれる緊張感、選択自由度の高いマップデザイン、不親切と紙一重だが探索しがいのあるステージデザイン。どれを取ってもソウルシリーズでお馴染みのものだ。ソウルシリーズで言うところの”篝火”や”エスト瓶”が”鬼仏”や”瓢箪”に置き換えられている点も含めて、広義にソウルシリーズと評価しても良いと考える。そして本作は単純なソウルシリーズの焼き直しではなく、より”深化”したものとなっている。鍵縄の導入により、立体的にデザインされたマップ、中ボスの存在により増したステージ攻略における戦術性、「回生」による救済措置など、従来の作品には無かった要素が追加され、シリーズの新たな可能性を見事に示した作品に仕上がっている。

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敢えて不満点を挙げればデス・ペナルティが従来のソウルシリーズに比べて弱い点だろうか。本作の死亡によるペナルティは、主に経験値と所持金の半減となっている。これは1回目の死亡でソウルを落とし、未回収でロストする従来のシリーズと比較すれば、確定での半減という優しさ半分厳しさ半分と言った内容だが、経験値も所持金も攻略が進むほどにそれほど重要ではなくなるので、実のところ本作の死亡によるリスクはそれほど高くない。ダークソウルに比べれば死亡のハードルは低い。また、死亡により蔓延する”竜咳”のシステムも、NPCイベントの進行がとまる程度なので、これをそれほど恐れる程度も周回を重ねるほどに低くなる。具体的なアイデアは思いつかないが、デス・ペナルティのレベルはもっと上げることで特にステージ攻略の緊張感が増したのではないかと思う。この辺りは難易度に直結する問題なので非常にデザインが難しい点だが、個人的な嗜好としてはやや不満が残った。当初の想定では竜咳は放置するとNPCが死ぬ仕様だったと聞くが、正直そのくらいでもよかったのではないかと感じる。 

『隻狼』が見せつけた”進化”と”汎用性” 

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 本作が見せてくれたのはソウルシリーズとしての”深化”にとどまらない。アクションRPGとして確固たる地位を築いたソウルシリーズとは異なり、本作はアクションゲームとして新たなる方向性を示した。それは言うまでもなく”剣戟”という本作におけるアクションの本質にある。

従来のアクションゲームであれば、自らが操作するキャラクターと敵キャラクターが存在する。自キャラが攻撃した場合、敵キャラのアクションは被弾、回避、防御のいずれかとなり、敵キャラの攻撃を受けた場合のアクションも同様だ。

本作は此処に”剣戟”の要素を加えた。刀と刀のぶつかり合い。一方が攻撃して一方が受ける、というのではなく、互いの攻撃がぶつかり合う。たったこれだけの要素を追加する事でアクションゲームの型を大きく変えることになった。

これは単純に自分がプレイした作品が少ないだけかもしれないが、このお互いの攻撃がぶつかり合う”剣戟”的なアクションをここまで前面に出した作品は本作が初めてではないかと思う(さすがに本作がオリジナルと言うだけの自信はない)。

この剣戟という要素が追加されることで、本作のアクションは他に類を見ない独特なものとなった。戦闘時のアクションには「攻撃」「防御」以外に「弾き」が加えられた。これは攻めるのでも受けるのでもなく、文字通り相手の攻撃を”弾く”アクションだ。そしてHPのほかに「体幹」のステータスが加えられた。敵に攻撃を当てる、もしくはガードさせる、あるいは敵の攻撃を「弾く」ことで相手の体幹を崩していく。体幹を崩しきることで、HPの残量に関わらず致命攻撃となる”忍殺”が可能となる。

つまり本作のアクションでは、極論すると相手に一度も攻撃を当てることなく勝つことすら可能なのだ。文字通りの”剣戟”で刀と刀を交えることこそが本質。このシステムは非常に良く出来ていた。これはおそらく”剣戟”というコンセプトが先にあって生まれたシステムだと思うのだが、アクションに剣戟の要素を入れた場合、一つの懸念としてとにかく敵に攻撃が当たらない、ということが考えられる。従来のアクションゲームのように回避とガードという選択肢に加えて、お互いの攻撃についても当たり判定がある以上、双方の被弾可能性が減り、戦闘が長期化してしまう可能性があるのだ。実際本作でもダークソウルなどに比べると、驚くほど敵に攻撃が当たらない。それを解決したのが”弾き”と”体幹”の導入という訳だ。HPを削り切らずとも、体幹を削り切ることで敵を倒すことが出来る。体幹を削るには積極的に敵と刃を交えて”剣戟”するのが最も効率的だ。そしてこの”剣戟”が癖になるほど面白い。こちらの攻撃を相手が受け、相手の攻撃をこちらが弾く。攻撃一辺倒では相手を崩せない。攻撃しては弾き、弾いては攻撃に移行する。相手が見合ってくればこちらから仕掛けて敵の攻撃を誘発し、それを更に弾く。まさしく”チャンバラ”。無論敵に体幹がある以上自分にも体幹が存在する。敵の攻撃を被弾したり、弾き損ねれば体幹を削られる。削り切られれば大きく体制を崩し、無防備な状態で被弾することになる。基本的に敵が硬く、自分が脆く設定されている本作では、被弾は一発でも致命傷になりかねない。このリスクを背負いつつ敵と刃を交えるのが最高に楽しいのだ。

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 この”剣戟”の導入という進化はおそらく動画を見るだけでは理解することが難しい。実際にプレイしてみないとなかなか分かりにくいものだろう。しかしこれは地味ながら”アクションゲーム”というカテゴリにおける新たな基本要素の導入に成功したと言う意味で歴史的なものだと思う。本作の発売からそろそろ1年がたつ。この大ヒットやGOTYの受賞などを考えれば、そろそろ”SEKIROフォロワー”とも言うべき作品が現れる頃ではないかと思う。

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そしてこれほどに新しく、個性的で他に類を見ないアクション要素が、前述したソウルシリーズのテンプレートに違和感なく嵌まっている点も特筆に値する。デモンズソウルを嚆矢として始まったアクションRPGとしてのソウルシリーズ。そこで培われたコンセプトや方法論が、異なるジャンルの作品での使用にも耐えうる汎用性を持ちうることが本作では証明されている。これはフロム・ソフトウェアにとっても大きな意義のあることだろう。ソウルシリーズという確立された方法論と新たなジャンルの融合。それによって新規IPの可能性は大きく広がる。将来的にはその可能性を切り開いたのが本作という位置づけになるのかもしれない。

「一人称」から「三人称」へ 

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 ソウルシリーズと言うテンプレートに新たな作品を構築した本作だが、物語、世界観やシナリオについてはダークソウル3部作とは異なる方向性を指向している。それは物語的にダークソウルと関連の無い新規IPであることや、舞台が日本の戦国時代であるなどという表面的なことにとどまらない。最も大きな変化は”視点”の変更だ。

ダークソウル3部作は基本的に「1人称の物語」だ。主人公はプレイヤーの投影であり、プレイヤーは主人公と同じ視点で自ら物語を紡いでいく構造となっている。故に主人公に個性や性格は付与されておらず、劇中で会話を発することはない。それが物語への没入感を増す効果を産み出し、プレイヤーは「はじまりの火」を巡る世界における物語を自らの中に構築していくことになる。NPCとの関わりにもそれは現れており、ダークソウルにおける幾多のNPCについて、主人公がその物語の主役になることはない。NPCシナリオにおける主役はあくまでNPCであり、主人公は時に協力者、時に敵対者、時に傍観者として関りを持つだけだ。

一方で『SEKIRO』は「3人称の物語」だ。主人公である”狼”はプレイヤーの投影ではない。明確な個性を持つ独立したキャラクターであり、プレイヤーは彼の物語とその戦いを見届ける立場にある。

この「3人称の物語」としての『SEKIRO』の特徴はシナリオに良く表れている。本作はダークソウル3部作に比較するとストーリーラインが非常に明確であり、ドラマ性が高い。竜胤と呼ばれる不死の力を巡る”狼”と登場人物のドラマが、危機に瀕した葦名の国を舞台に展開される。その物語のドラマ性を高めるのは関係する登場人物のキャラの立ち具合だ。”狼”の主君であり、竜胤を巡るドラマの中心に位置する”竜胤の御子”九朗、葦名の未来を案じ、竜胤の力を手にすることに全てを掛ける葦名弦一郎、葦名の領主であり”剣聖”と称される英雄葦名一心、”狼”の戦いを陰日向に支える仏師やエマなど魅力的なキャラクターとの関係性が物語に深みと盛り上がりを与えている。これらの登場人物は、ダークソウル的な意味でのNPCではない。ダークソウルのNPCは言ってしまえばサイドストーリーのキャラクターだ。そのような役回りのNPCは本作にも登場している。しかし弦一郎や一心は物語の核心に位置する人々であり、メインシナリオを進める上で必然的にその関係性を深め、”狼”の物語に関わる者たちだ。

このようなメインシナリオに関わる”脇役”の豊かさは従来のダークソウル的な物語構造には無かったもので、『SEKIRO』をダークソウル3部作とその物語的手法を大きく分ける点だ。乱暴な言い方をすれば、1人称であるダークソウル3部作は「プレイヤーが物語を紡ぐ」作品だが、『SEKIRO』は「プレイヤーに物語を見せる(魅せる)」作品であると言えるだろう。正直なところ、1人称視点よりも、よりストーリーテリング的なスキルの問われる3人称視点でこれだけ充実した物語を見せてくれるとは思わなかった。本作はシナリオ的な意味でもフロム・ソフトウェアの新たな方向性を示してくれた作品と言えるだろう。

感心するのは本作のゲームシステム自体がその物語性に沿ってデザインされていることだ。ゲームにおける3人称の物語構造では、基本的に脚本家の描いたシナリオに沿ってプレイを進めることになる。いわば”お仕着せ”だ。この様な構造を持つ作品は、プレイヤーに自由を与えるよりは、如何に作り手の構想にプレイヤーを乗せていけるかが問われる。そのため本作ではダークソウルのような自由なビルド設計は皆無だ。外見や服装だけでなく、スキル面でも基本的に予め用意されたツリーに沿ったビルドのみが許されている。あらかじめプレイスタイルの大枠は決められており、その中でプレイヤーはアクションや物語を楽しむことになる。自由なキャラクタービルドに基づき、自ら物語を作り上げる手法のダークソウルとは真逆のコンセプトだ。ドラマ重視のシナリオ設計である『SEKIRO』に相応しいもので、物語的な方法論とゲームプレイのコンセプトに合理的な整合性を担保する秀逸な設計であると思う。

それにしても本作のキャラクターのなんと魅力的なことか。本作のシナリオでは分かりやすい善悪の切り分けは存在しない。”狼”と九朗も弦一郎も己の正義と信念を貫いたがゆえに相克し、故にそこから生まれるドラマが盛り上がるのだ。シンプルな勧善懲悪ではこうはいかない。この脚本を書いたライターは、「ドラマを見せる」ということを明確に意識してその筆を運んだことが良く伺えるシナリオだ。

中でも葦名一心のキャラクターが本作の白眉だ。一代で国盗りを成し遂げた戦国の英雄であり、”剣聖”とまで称された剣の達人。老齢に在りながら覇気と稚気に溢れ、それでいて深い思慮と懐の広さを併せ持つカリスマ性。多くのプレイヤーをも魅了したであろうその英雄が、物語最後の敵として立ちはだかる。熱くならずにいられようか。

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エンディングルートによりプレイヤーは異なる姿の一心を目の当たりにする。”修羅”ルートにおける一心は、哀惜の念を込めて、自らが目を掛けた主人公を救うために立ちはだかる。 その戦い振りは老境を迎えてその境地にある”剣聖”の名にふさわしく、多彩な剣技と苛烈な一振りを主人公に振り下ろす。

一方で他のルートで立ちはだかる一心は全盛期そのままの姿だ。”剣聖”の名など犬に食わせろと言わんばかりの奔放振りで、片手に刀、片手に大槍を構えて縦横無尽な戦いを繰り広げる。時に拳銃を乱射しながらの破天荒な戦いぶりは、まるで”狼”との闘いを楽しむかのようだ。

この葦名一心の魅力的で複雑なキャラクターをそれぞれに描き切ったラストバトルは物語の終幕に相応しい出来だ。ゲームプレイは言わずもがな、物語の面でも本作は素晴らしいものだった。

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一つだけシナリオにおける不満、というか要望があるならば、それは葦名弦一郎の扱いに尽きる。せめて終盤に彼の想いに相応しい散り際を用意させてあげられなかったかな、と思う。ゲーム内におけるあまりの良ボスっ振りと、劇中における報われなさが大変やるせない。源の宮ステージあたりで弦一郎と最後の決着をつける舞台を用意して、せめて無力感以外の何かを得て逝かせてあげたかったと思わずにいられない。天守閣における弦一郎との戦いで、本作のプレイスタイルを掴んだ自分にとっては足を向けて寝ることのできないキャラクターなだけに、その最後を惜しむものである。  

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魅力の全てが凝縮されたボス戦 

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 そしてソウルシリーズに連なる本作の、ゲームとしての最大の魅力はやはりボス戦。今回も期待に違わぬ、いや、それ以上の満足度だった。自分は昨年Darksouls3をプレイしたことでソウルシリーズにハマり、その後Darksouls2とDemon'ssoulもプレイした。ダクソ3についてはトロコンするまでに熱中したが、事前に実況動画を色々と視聴していた(それが興味を持った切っ掛け)ので初見という感覚は薄かった。ダクソ2とデモンズについては全くの初見ではあったが、何せダクソ3がシリーズの集大成と言うに相応しい出来であっただけに、特にボス戦については既に似たようなキャラを経験していることが多く、実のところそれほどの難易度は感じなかった。

しかし今回は正真正銘の初見。本作をプレイするために実況、攻略動画はおろか、攻略サイト等の情報は一切遮断していた。おかげで本作のボス戦は中々に苦労したが、とことん楽しむことが出来た。

何せ攻略的に最初のボスに位置付けられる”鬼形部”戦で30回以上負けた。2週目以降は3分も立たず倒せる難易度なのだが、何せ序盤では本作のプレイスタイルに慣れておらず、ダクソ的なムーブでのプレイを続けていたのでとにかく負け続けた。その手前の中ボスクラスでも相当に負けた。その後、過去編のボス”まぼろしお蝶”や中盤のヤマである”葦名弦一郎戦”で本作のプレイスタイルを理解すると、本作のアクションの虜となった。その後のボスも苦戦はするが序盤に比べればかなり順調に攻略できた。”大忍び 梟”は初回撃破、”宮の破戒僧”も3回目で撃破するなど自分のプレイスキルの向上が実感できた。

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しかし最終盤に大きな壁が立ちはだかる。ラスボスの”剣聖 葦名一心”と裏ボス的に位置づけの”怨嗟の鬼”だ。とにかく負け続けた。怨嗟の鬼は40戦、剣聖一心も30戦以上かかってようやく倒すことが出来た。どちらも倒した直後は気が抜けて何も手につかない状態だった程だ。これほどのめりこんだのはやはりダクソ3の”無銘の王”や”闇喰らいのミディール”以来だろう。

こうして自分のプレイを振り返ると、実に見事に製作者の術中にハマっているなと感じる。本作のボス戦について感心するのが、それが巧みにプレイヤーを育てる ように配置されている点だ。

前半~中盤のボスは本作のプレイスタイルを教える、いわば教師役だ。ガードの”鬼形部”、弾きの”まぼろし お蝶”、剣戟の”葦名弦一郎”、と言ったように、ダークソウルとは大きく異なる本作のプレイスタイルを、プレイヤーに強いることなく身に着けるように仕組まれた者たちだ。

そして中盤以降のボスで、身に着けたプレイスタイルを存分に発揮する。弦一郎戦までに本作が意図するプレイスタイルを会得していれば、”獅子猿”や”破戒僧”、”大忍び 梟”戦を十分にエンジョイすることが出来るだろう。

そして最終版に一際高い壁となり立ちはだかるラスボスと裏ボス。それまでの戦いが嘘のように通じない。必死に相手の攻撃パターンを覚え、その対応を試行錯誤し、繰り返しプレイする。これまでのボス戦で得たプレイスキルの全てを注ぎ、遂に勝利を得る。その達成感は最高だ。

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この一連の流れは振り返るとやはり製作者の確かな意図を感じる。プレイヤーに何ら強制される感覚を押し付けることなく、自然に自らの想定するプレイスタイルを身に着けさせるこのデザインは実に秀逸だ。実のところ、本作は剣戟を意識せず、ダクソ的なHit&Awayでもガン待ちでもクリアは可能だ。しかし製作者の意図する剣戟スタイルでのプレイがボス戦においては最も効率的であり、そして最も楽しく(これは主観的な評価だが、、、)プレイできるようにデザインされている。プレイしながら製作者の手のひらの上で転がされている感覚に何度も襲われたものだが、決して不快なものではない。”やってくれるな!”と思わずつぶやきたくなるような、素晴らしい職人の仕事に感嘆するばかりだった。

本作の難易度ははっきり言って高い。カジュアル・ユーザーにとってはあり得ないレベルだろう。しかし一部のヘビー・ユーザーだけに向けにデザインされたものではない。根気さえあれば大部分のプレイヤーはクリアできるように調整されている。その職人気質な仕上がりには脱帽する。決して敷居が低いとは言えない本作が世界的なヒットを記録し、GOTYまで受賞したことの意味は大きい。今後への期待は増すばかりだ。次回作『ELDEN RING』でも間違いなく世界中のユーザーを歓喜と阿鼻叫喚の渦に巻き込んでくれること疑いなしだ。

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ちなみに本作の初見プレイ1週目のボス戦について、実況動画を作成中だ。ソウルシリーズ歴1年の素人が試行錯誤しつつ攻略した内容を、良ければご覧いただきたい。

www.youtube.com

※現在葦名弦一郎戦まで作成済。(2020/2/11)

エポックメイキングとなりうる傑作 

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 長々と書いてきたが、最後に本作に対する評価をまとめれば、ソウルシリーズを土台に新たな方向性を示した傑作と言うべきだろう。ゲームとしてのコンセプトはソウルシリーズに連なり、物語やシナリオはソウルシリーズとは完全に異なる方法論で挑み、アクションについてはこれまでにない新機軸を打ち出し、そのいずれもが矛盾することなく、高いレベルで融合した稀有な作品だ。またいつの日か、このレベルの作品に出合うことが待ち遠しくてならない。そしてその作品はやはりフロム・ソフトウェアの新作なのだろうな、とにわかファンは思わずにいられないのである。

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『Stronghold Crusader2』 バランスとオリジナリティ

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『Stronghold Crusader2』キャンペーンミッションをクリア。所要時間は25時間。Strongholdシリーズをプレイするのは『Stronghold』『Stronghold Crusader』に続き三作目。キャンペーンミッションだけで言えばその3作の中でボリュームは最も小さい作品だった。

シリーズ初期の作品を彷彿させるビジュアル

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本作はプレイ済の2作から10年以上の期間を経てリリースされた作品だが、グラフィックやUIなどの仕様は驚くほど変わっていない。未プレイではあるが『Stronghold2』や『Stronghold3』でユニットが3D化されたり挙動の物理演算が洗練されたことと比較すると、非常に初期の作品に近い雰囲気を感じる。当然リリースされた2014年の作品に相応しい技術的な向上は感じられるが、この意識的とも思える原点回帰なビジュアルやUIは初代のファンから見れば非常に好ましい。いかにも”Strongholdをプレイしている”感が強い。正に実家のような安心感と言うべきだろうか。

RTSとしての質の変化

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一方でRTSとしての方向性にはかなりの変化が見られる。「Stronghold」と言えば”防衛”が売りのシリーズ。内政に努め、城と城壁を築き、敵を迎撃することがその醍醐味なのだが、本作はかなり趣が異なる。全部で11あるキャンペーンミッションのうち、純粋な防衛戦と言えるのは2つだけだ。他には物資調達、攻城戦、防衛と攻城の混合などのミッションで構成され、全体で見れば防衛に偏り過ぎないバランスの取れた構成となっている。

プレイ仕様についても細かな変更点が多数ある。プレイ速度の調整が3段階のみとなったり、敵AI陣営に兵站の概念がなくなる(₌敵が無限湧きする)などだ。指定期間内でのクリアが条件となるミッションも多くなるなど積み上げていくとかなりプレイング・フィールに違いを感じるものとなっている。

あくまでキャンペーンミッションをクリアした時点での感想ではあるが、本作はこれまでにプレイした2作と比較すると、よりRTSとしては兵站・防衛・攻撃のバランスを意識した作品に仕上がっているように感じられた。

薄れるオリジナリティ

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この変化をどのように捉えるかはプレイヤー次第だろう。もともと「Stronghold」はRTSに馴染みのないプレイヤーにも敷居の低いシリーズだが、その一方でそのゲーム性は”防衛”に主眼を置くと言ったアクの強さを兼ね備えている。それがこのシリーズの個性であり人気の理由であったはずだ。しかし本作についてはその個性であった”防衛”の比重が低くなった分RTSとしてはバランスが良くなった一方で、シリーズとしての個性は薄れてしまった印象がぬぐえない。

最も『Stronghold Crusader』の時点で”防衛”の比重は下がりつつあったのも事実で、10年以上の時を経てリリースされた本作についてはバランスのとり方にかなり苦慮したであろうことが察せられる。

問われるシリーズの方向性

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オリジナリティよりもバランスにかじを切った印象のある本作について、STEAMのレビューでは”賛否両論”となっている。それも当然で、本シリーズの個性に重きを置けば本作の方向性は好ましいものではないだろう。一方で本作で初めてStrongholdを体験するプレイヤーにとっては非常に手を付けやすく、難易度も適正な作品であると言える。古参ファンのつなぎ止めと、新規プレイヤーの獲得とどちらに比重を置くべきなのか。その典型的な課題に直面した作品だと言えるだろう。

2020年には最新作『Stronghold:Warlords』の発売が予定されているが、新作ではバランスとオリジナリティ、どちらに比重を置くのだろうか?”防衛”を売りとするアクの強さか?初心者にもなじみやすいバランスの良さか?その双方を充足する作品をリリースできれば間違いなく名作と呼ぶにふさわしい作品となるだろう。

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『Half-Life2』 名作の続編は確信犯的な傑作

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Half-Life2』をクリア。所要時間は18時間。前作『Half-Life』を昨年プレイして、20年前の作品ながらその完成度の高さに唸り、続編である本作もプレイすることにした。

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ゲームであれ映画であれ、いかなる創作においても名作の続編と言うものは、基本的に受け手のハードルが高い分評価が辛くなる。FPSにおけるエポックメイキングである『Half-Life』の続編である本作も当然その類に漏れないのだが、これもまた傑作と呼ぶに相応しい作品だった。

証明された完成度の高さ

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本作のゲームシステムは基本的に前作と変わり映えしない。シナリオ・ドリヴンな進行、ゲームプレイとイベントのシームレスな繋がり、マップやクエスト情報も存在しないシンプルな構成。いずれも『Half-Life』が実現した、没入感を高める映画的アプローチであり、前作から6年の歳月を経ても驚くほどの変化の無さだ。

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これは制作陣の保守的傾向の表れだろうか?そうではないと思う。寧ろ『Half-Life』が先を行き過ぎていたのだ。あたかもプレイヤーが物語の中に入り込むかのような錯覚を与えるそのシステムの完成度が、6年の歳月を経て尚優れたものであることを本作は証明している。本作が発売された2004年当時であれば、マップやクエスト、装備やアイテムなど、豊富な”ゲーム的情報(Escキーやセレクトボタンで表示されるアレ)”をゲームに組み込み、ユーザビリティを上げることは問題なく出来たはずだ。しかし本作は敢えてそれを避け、前作同様のユーザー・フレンドリーとは言い難いシステムを踏襲している。プレイヤーは何をするのか、何処に行くのかを目の前の世界の中だけで判断しなければならない。それでいて”迷うことはあっても詰まることはない”絶妙なレベルデザインは健在だ。それが逆に他の作品と比較しても群を抜いた没入度を与えている。そしてそれは2019年現在においてもその魅力を失っていない。仮にValveが『Half-Life』の続編を作る場合でも、このゲームシステムやプレイスタイルは踏襲されるだろう。根拠はないがそう確信している。真に優れたシステムは歳月の試練に耐えうる。そのことを本作は示していると思う。

格段に充実したコンテンツ

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一方で名作の続編に相応しく、充実した内容であることは言を待たない。前作と比較して格段に向上したグラフィック、物理エンジンをフルに活用したモーションなど、6年の歳月に相応しい要素技術の向上が反映されている。

ゲーム内容についても、前作には無かったボートやバギーなどのビークルが登場するなど新要素もふんだんに盛り込まれている。中でも照準を合わせた対象を重量制御するグラビティ・ガンの登場は、戦闘のみならず、アドベンチャー・ゲーム的なパズル要素を更に充実させるものとなっており、本作の重要な個性となっている。

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各チャプターに挿入される戦闘イベントは更にバラエティ豊かになり、単純なゲーム性についても著しく向上している。詰め込み過ぎと批判的に見る向きもあるようだが、ストーリー性を増したシナリオとゲームプレイが継ぎ目なくつながる従来のシステムのおかげで寧ろコンテンツとしての濃度が増したと感じられる。まずは待たせた歳月を裏切らない内容であると言って良いだろう。

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名作への確信に満ちた傑作

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思うに『Half-Life2』は、前作である『Half-Life』のように新たなジャンルやシステム、プレイスタイルを開拓した名作ではない。『Half-Life』で打ち出した革新的でありながら同時に完成度の高い作品性に対する確信に裏付けられた、歳月に相応しい品質とコンテンツが詰まった傑作と評すべきだろう。ゲームシステムやプレイスタイルを”器”とするならば、既にこれ以上ない名品がそこにある。ならばそこにより優れた”酒”を注ごう。そうして生まれた作品が本作であると言えるだろう。『Half-Life』を本当はこのクオリティでやりたかったんだろう。そう思わずにはいられないだけの傑作であることは間違いない。

そして先日十数年ぶりの新作として『Half-Life:Alyx』が発表された。

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新作はVRでの制作になるようだが、なるほど本作のシームレスかつ”ゲーム的情報”を極力排除したスタイルは正にVRにうってつけだ。『Half-Life』が新たな革新性を打ち出すのに、VRは恰好の素材だろう。きっとこれまでにない程の没入感を与える作品となることは想像に難くない。もしかするとValveはVR技術が『Half-Life』に相応しい水準に達するのを待っていたのだろうか?これだけ多くのファンを、これだけの期間待たせたのだ。その名にふさわしい作品を期待したいものだ。f:id:Martin-A:20191130224453j:plain

 

 

『Just Cause3』 闘え!ジャスコ太郎!

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 『Just Cause3』をクリア。所要時間は33時間。

Just Causeシリーズは本作が初プレイだが、いやこれは色々と語りたくなる作品だ。主に文句の3つ5つは語りたい。ツッコミどころがあり過ぎる作品なのだが、なんだかんだと30時間以上もプレイしてクリアまでしてしまった。

JustCause3ここがダメ①:シューターとして中途半端

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 とにかくTPSとしての出来がよろしくない。ダッシュができなかったりエイムが出来なかったりと、シューターとしての基本動作の時点で間違っている。エイムについては一応”精密射撃”なるPerkを取得できるのだが、スナイパーライフル以外では単にFPS視点になるだけ。そんな代物をPerkにする必要がどこにある、と思わず突っ込みたくなる。

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精密射撃(笑)

Perkの内容も微妙で、取得してもそれほどメリットを感じないものがほとんど。取得のためのチャレンジがだるいのもあり結局2割程度しか取得しなかったがクリアするまで不便はほとんど感じなかった。

照準の設定も微妙で、クロスヘアと敵が重なっていても弾が当たらなかったりと、当たり判定が今一つ分かりづらい。

少し前にUBIの『Ghost Recon:Wildlands』をプレイしたが、シューターとしてそのクオリティの差は歴然。アバランチのスタッフはUBIにシューターの作り方を教えてもらった方が良いだろう。

JustCause3ここがダメ②:不親切、不案内なシステム

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本作一応オープンワールドTPSの体を取っているのだが、とにかく分かりづらいのだ。まずチュートリアル終了後、何をやればいいか分からない。Falloutのような自由度の高いシステムであればそれも当然なのだが、本作はメインミッションとシナリオを軸にしたシステムを取っているのにこれはいただけない。とりあえず各地の拠点を解放すれば良いのかと破壊工作に勤しんではみたが、メインミッションがさっぱり進まない。全体MAP上の牛マークがメインミッションを示していると理解したのはマップ全域を解放した後だ。自分の気づきの鈍さもあるにせよ、あまりに不案内と言うべきだろう。

各拠点の解放もまた不親切。本作における拠点解放ミッションは、敵の施設(燃料タンクや発電設備等)を全て破壊することで達成されるのだが、これがMAP上に表示されたりされなかったり。設置場所も分かり難く、無限湧きする敵の砲火を避けつつ最後の一つを探すのに手間取ることもしばしば。 数が多いわりに代わり映えのしないミッションになぜこれほどストレスを感じなければいけないのか疑問だ。

各拠点の配置も問題だ。MAPには明確に各拠点は明示されていないので、プレイヤーは拠点を探してMAPを飛び回ることになる。大半の拠点はMAPを見れば推測がつくのだが、いやらしいのは各エリアに大体一つくらいMAPを見ただけでは発見できない小規模な拠点が含まれており、その捜索に結構な時間を取られることだ。開発者に一言いいたい。「これ面白いと思ってる?」

全体的にプレイヤーを快適に遊ばせるという意識が大きくかけていると言わざるを得ない。これらの点も『Ghost Recon Wildlands』に大きく劣る点だ。Ghost Reconオープンワールドとしては問題のある作品だったが、プレイは快適で迷うことが無かった。事前にこちらをプレイしていた分本作への評価はどうしても辛くならざるを得ない。

JustCuse3ここがダメ③:個性の薄いキャラクター

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 本作の主人公は”破壊と混乱の英雄”ことリコ・ロドリゲス。ラスボスとなる悪役は地中海の島国メディチを支配する独裁者ディラベロ将軍、なのだが主人公も悪役もどちらもパンチが効いていない。

リコは典型的なベビーフェイスのタフガイで、色々と設定なり背景はあるのだが作中ではそれを活かしたドラマはほとんど描かれず、ほとんど個性も魅力も感じられない。ディラベロについてはもっとひどく、その性格や過去がほとんど語られることが無いため、事実上”独裁者”という記号的な存在でしかない。

そのためベビーフェイスにもヒールにも感情移入の余地がなく、なんともシナリオ的にもメリハリが欠けているのだ。Just Causeは4作目まで発売されている人気シリーズと聞いているが、正直リコ・ロドリゲスはそれを裏付けるだけの魅力を備えたキャラクターであるとは思えなかった。

Just Cause3ここがダメ④:説得力がなく、破綻したシナリオ

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いや、そう思われても仕方ないだろ、お前の場合...

キャラクターの描写がこうであればシナリオもお察し、というところなのだが、正直シナリオはもっとひどい。本作のシナリオの軸には”バベリウム”なる架空の金属の存在がある。バベリウムは舞台であるメディチでのみ生産される鉱物で、強力な爆薬の材料でもあり、金属に吹きかけると無敵の装甲になり、また精製すれば無尽蔵の燃料にもなる万能鉱物という科学的な裏付けもクソもない代物だ。そして本作の悪役であるディラベロ将軍はそのバベリウムを独占して良からぬ陰謀を企んでおり、その陰謀を阻止してメディチを解放するためにリコは仲間たちと戦いを挑む、というのが本作の粗筋だ。

なんなんだこの小学生レベルの安っぽいプロットは?

 バベリウムの幼稚な設定も大概だが、大体ディラベロがバベリウムを独占して何を企んでいるかも良くわからない。世界は私を知るだとか、炎に包むとか悪役らしいセリフを並べてはいるが、具体的なことはさっぱりなのだ。

リコ側も同様で、彼の背景としてメディチの出身であり、ディラベロが起こしたクーデーターの際に両親を失い孤児となっており、しかもその背後には彼が所属するCIAと相棒であるシェルドンが絡んでいるということが明かされるのだが、そのことで何か葛藤が生まれるわけでもなく、打倒ディラベロに邁進するだけ。

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あざといまでの勧善懲悪なシナリオの癖に、主役にも悪役にも物語を動かすだけの動機についての説得力が見事なまでに欠けているのだ。

メインミッションはともかくとして、拠点解放ミッションを進めた前半のプレイでは、なぜディラベロが悪役なのかさっぱり理解できなかった。街並みはプロパガンダが目立つ程度の事あれ平和そのもの。各地には観光客も配置されており、なかなかきちんと統治者やってるじゃないかディラベロ、見直したぞ。正直ディラベロはいいとこトロピコレベルの独裁者にしか思えない。そんな街並みまで破壊の限りを尽くすリコの方がよほど悪役だろう。

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そもそもリコにせよ一応CIAのエージェントという設定の癖に目立ち過ぎだ。いや所詮ゲームだろう、と言われるかもしれないが限度がある。なんせ街を破壊して回っているときすら周囲の人々が”リコだ”、”俺たちのヒーロー!”とか言っている。その辺の一般人にすら顔と名前が知られているCIAエージェントってどんだけだよ、と言いたくもなるだろう。このあたりの余計なディテールがさらにシナリオを破綻させている。なんと言うか物語に対する熱量が全く上がらない要素ばかりという印象なのである。

 

他にも言いたいことはいくらでもある。一方でここまで文句ばかり書いてきたが、それでもクリアするまでは本作をプレイすることになった。それには購入した作品はクリアまでプレイするという自分の貧乏性な主義によるところが大きいが、同時にやはり誉めるべき点もあると言うことだ。

 

Just Cause3ここがGood①:グラップリングが超快適

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 本作のゲームプレイにおける最大の特徴であるグラップリング。これがもう快適そのもの。マップを移動するにせよ戦闘で使うにせよ3次元での高機動な動きが本当に癖になる。本作の戦闘では敵は放っておくと無限湧きで、ヘリや戦車などもバンバン投入されで火力も銃弾の量もかなりの者なのだが、グラップリングを駆使して戦場を駆けまわり、目標を破壊するカタルシスは相当なものだ。これだけでも本作は一度プレイするだけの価値があると言っても過言ではない。実際グラップリングの要素が無ければクリアするまでプレイすることはなかっただろう。

シューターとしての出来は前述したように誉められた内容ではないのだが、それを補って余りある楽しさがあると言えるだろう。グラップリングにウイングスーツを組み合わせればその機動性はさらに上がる。本作のマップは広く、しかもビークル類の挙動がもっさりしているので移動は結構苦痛なのだが、この組み合わせがあれば無問題。実際ビークルはヘリ以外ほとんど使用しなかった。移動すら楽しいと思わせてくれるこのギミックは出色の出来だと言って良いだろう。

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Just Cause3ここがGood②:メインミッションは楽しませる(ただしプレイ内容限定)

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 本作のサブミッションにあたる拠点解放については内容も変わり映えなく、MAPも使いまわしが多いためはっきり言って単調だ。正直これは『Ghost Recon:Wildlands』も同じでオープンワールドTPSにおける宿命と言ってもいいのかもしれない。

 一方で本作のメインミッションは中々に多様な内容で楽しませてくれた。重要拠点への潜入と破壊のみにとどまらず、要人の護衛や物資の防衛、果ては発射されたミサイルに飛び移って破壊などバリエーション豊かだ。自分はプレイ後半に集中してメインミッションを実行したが、おかげで本作の評価はかなり挽回された。シナリオは破綻しているしストーリーは有って無きが如しだが、プレイ内容そのものは十分に評価に値するものだった。

総論:Just Cause3は”太郎ゲー”だ!

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要は堅苦しく考えることなく、とにかく撃ちまくり、爆破することを楽しむ一種のバカゲーとして楽しむのが本作には一番合ったプレイスタイルなのだろう。

リコ・ロドリゲスと言う無個性なヒーローを操り、思うままに破壊を楽しむことで一種の全能感を味わうと言うべきか。要するにあれだ、イキリ骨太郎とか鯖太郎とか、あの類。所謂太郎系作品に連ねるべき作品だ。悪逆(笑)な独裁者を倒すため、ジャスコ太郎は今日も破壊の限りを尽くす。進め!ジャスコ太郎!君を待つメディチの明日はどっちだ?

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2019年のサマーセールでお値段¥450.この値段なら十分に楽しめる内容。フルプライスでの購入は...ちょっと無いかな。 

『Stronghold Crusader2」キャンペーン”サラディン” ミッション④「聖地」

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『Stronghold Crusader2』キャンペーンミッションの続き。キャンペーンミッションも今回が最後。目的は敵領地の目標地点への到達。

君主を殺害する必要が無い分難易度が低いと思いきや、自陣から見て最深部に設定された目標地点に到達するのは非常に困難。幾重にも城壁が張り巡らされ、そこに多数の敵兵が配置されている。内政に関する施設は一切建設できない為、限られた住民と食料をリソースとした徴税以外に資金を得る手段が無い。おまけに期限は15日と非常に短い。

限られた時間、限られたリソースで敵陣を突破することが求められる、最終ミッションに相応しい難易度と言えるだろう。ハードモードでは更に自軍の手持ち戦力が少なく、反対に敵兵力が増えるので更に難しさが増す。非常に試行錯誤のしがいがあるミッションだった。

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ミッション攻略における重要な点は2点。第1にルートの選択。このマップで選択できる進軍ルートは2つ。一つは距離は短いが接敵数が多い。一つは距離は長いが接敵数が少ない。自分は後者を選択。ノーマルモードまでなら前者もありだが、ハードモードの場合後者がより安定するだろう。

2点目は城壁の突破方法。このミッションでは目標地点に到達するまでに最低3か所の城壁、もしくは城門を突破する必要がある。効率の良い突破方法は2つ。1つはカタパルトで破壊する。この方法は城壁、城門と場所を問わず道を切り開く点が優れている。一方で破壊までに時間がかかることと、カタパルトが敵の攻撃を集めやすい点が欠点となる。2つ目はアサシン。アサシンは敵の城門を開くことが出来るが、この場合開門が迅速であることと、アサシンのステルス性が優れている。一方で進軍ルートが城門に限られるのでルートの柔軟性が劣る点が欠点となる。

目標地点の直前に城門が設置されているため、ここまでに城門、城壁を突破するユニットを残すことが必須となる。カタパルトやアサシンがいなくとも、シミター兵で壁を破壊すると言う手段もあるが、時間がかかり過ぎるのでタイムオーバーとなる可能性が高い。幾度かのトライを経て、最適なルートと壁と突破方法を検討した。

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基本的な戦術としてはシミター兵を先行させて敵を引き付け、後衛にマントレットに守られた弓兵を置き、城壁の弓兵、石弓兵を排除していった。最初の城門はアサシンで開門して時間を短縮。ここまでは敵の数も少ないのでそれほど難しくない。

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問題はこの先。城壁の弓兵のみならず、多数の徴募兵や騎士が配備されているため、如何に損害を抑えつつ進軍するかが問われる。

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ここでカタパルトの登場。画面右上部分の城壁を破壊して、戦力を右上に集結させる。

10日以内に壁の破壊と戦力の終結、弓兵とマントレットの補充を完了すればおそらくクリアは問題ない。

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9日目に援軍が到着するので、このタイミングで進軍再開。基本的な戦術はこれまでと同じ。シミター兵先行でマントレット&弓兵で城壁の敵を排除。このあたりから城壁からの弓兵の攻撃が激しくなるので、マントレットは十分な数を確保しておきたい。

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城門前に到着したタイミングで旋風デルビーシュを前に出す。シミター兵とデルビーシュで城壁内の敵を一掃する。このあたりで後方から騎士が攻撃を仕掛けてくるのでササン朝騎士で足止めする。城壁の弓兵を排除したタイミングで城壁に配置された騎士が移動を開始するのでそのタイミングでアサシンを城門に送り込む。

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騎士の移動速度は遅いので、城壁内に降りてくる前に城門を開くことが出来る。城門が開いたらシミター兵を目標地点へ突入。騎士が2名待機しているが、10名程度のシミター兵が残っていれば問題なくゴールにたどり着けるだろう。

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ミッションクリア。そして全キャンペーンミッションクリア。

流石に最終ミッションだけのことはあり、やり応え十分な内容。正直最初の1,2回を失敗で負えた時点ではクリアできる気がしなかったが、更にTry&Errorを繰り返してクリアすることが出来た。試行錯誤が非常に楽しいミッションだった。

 

今回も攻略動画を作成。

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初めて挑戦した実況動画作成もなんとか最後まで完結。次は別の作品で趣向を変えた動画を作成してみたい。

 

『Stronghold Crusader2」キャンペーン”サラディン” ミッション③「正義」

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『Stronghold Crusader2』キャンペーンミッションの続き。サラディン編3番目のミッションは攻城戦。目的は敵君主の砦への到達。目標地点まで狭隘なルートを進み、4つの城門を超えていく必要がある。

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特に目標地点前は2つの城門と多数の兵士に守られており、MAPを一瞥するとかなり苦労するミッションだとの印象を受ける。

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攻城戦ミッションだけに手元の戦力はそれなりに揃っている。しかしカタパルトがいない為、アサシンを活用して城門を開けるなどの工夫が必要だと考えていた。

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進軍経路には城門以外にも障害物で阻まれた場所が2か所あるため、狭い道で足止めを受けつつ進むことを強制される。とりあえずお試し気分で着手して、攻略方法を考えていこうとプレイを進めてみた。

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意外にあっさりと2番目の城門を突破。この時点で弓兵が全滅したのでアサシンのステルス性は既に死に体同然となった。予想通りアサシンは3番目の城門で全滅。あとはシミター兵でごり押しして進めるところまで進もうと考えていた。

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ところが予想外に味方シミター兵が強い。城門を破壊し、城内の兵士を蹴散らし、あれよあれよという間に最後の城門に到達した。

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そして勝利。あっさりと初見でクリアしてしまった。ハードモードとは思えぬ難易度。MAPはかなりめんどくさい造りなのだが、如何せん敵の数が少なく、シミター兵のタフさが光る結果となった。正直なところ全キャンペーンの中でもかなり簡単な部類だと思う。あまり考えずにごり押ししてもクリアできるだろう。

 

今回も実況動画を作成。

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