ゾンビ:BGMが光るタリオ・アルジェント版

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評価:3(5点満点)

総評

1978年公開。ジョージ・A・ロメロ監督の出世作。ケーブルTVの映画チャンネルでたまたま放映していたので視聴。

同監督の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』がゾンビ映画の原点ならば、こちらはゾンビ映画の定石を作った映画というところでしょうか?ゾンビに追われる→ショッピングモールに逃げ込むor立て籠もるというお約束はおそらくこの映画からの定石ですよね。主人公の男女4人組がヘリで逃げる途中にショッピングモールに立ち寄り、そこで立て籠もりゾンビを迎え撃ちつつ脱出を探る…とまあゾンビものではお約束のプロットなので、今観ても正直なところ新鮮味はありません。時代がら特撮もチープですしはっきり言えば全然怖くないです。ですがショッピングモール(主人公たち以外はすべてゾンビなので実質的に無人)で主人公たちがやりたい放題するのは見ていてとても楽しそう。銃器を漁り、現金を漁り、宝飾品を漁り、食料を漁り、無人のモールを思い思いに蹂躙する主人公達。本編よりもこちらのほうが見てて楽しいですね。

そのくせ物語の後半でバイカー集団にモールが襲撃されると「こいつは俺たちのもんだ!」と銃口を向けるあたり登場人物の屑っぷりが最高です。やはりホラー映画の登場人物たるものこうでなくては。

ちなみに本作は複数のバージョンが存在しており、今回見たのは音響監督のタリオ・アルジェントが監修したバージョンです。(その他のバージョンはwikiに詳しく載っています)

ゾンビ (映画) - Wikipedia

タリオ・アルジェント版の特徴はなんと言ってもプログレッシブ・ロックバンド「ゴブリン」の曲が前面的に使用されている点でしょう。後半に進むにつれ目立たなくなりますが、序盤から中盤にかけては明らかにホラー映画のBGMには似つかわしくない曲が多く、プログレ好きの琴線に触れること間違いなしです。

 

特別好きなわけでもないのですが、昔から放映しているとつい見てしまうのですね。多分もう5,6回は見ていると思います。