『ダークソウルⅢ』DLC「アリアンデル絵画世界」「輪の都」クリア&オンライン所感

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ダークソウルⅢのDLC「アリアンデル絵画世界」「輪の都」をクリア。両方合計で10時間ちょいといったところだろうか。今後ビルドを変えて2週目に向かう予定だが、一旦本作には区切りをつける意味で感想を残しておく。

※以下DLCのネタバレあり

ゲームプレイ所感:本作の醍醐味を味わう難関ステージ

巷では「ボリュームが少ない」などの指摘もあるようだが、量・質ともに満足のいく内容だった。寧ろこれ以上ボリュームを増やされたら確実に心が折れていた、と思えるほどステージ難易度が高い。特に「輪の都」については本編をはるかに超える難易度だった。

実のところ本編については実況動画を見ていたこともあり、マップや敵の配置についてはそれほど驚きはなかった。それでも動画で見るのと実際にプレイするのとでは大違いだったが、それでも緊張感と言う意味ではだいぶ削がれていたと思う。

DLCについては事前情報を全く見ていない状態でプレイしたので、行ってみれば初めて本作の醍醐味を、しかもこの難易度で味わうことになった。

どこに向かえばよいのか、どこに敵が配置されているのか、次の篝火はどこなのか、それらの情報が全くない状態の緊張感は凄まじく、これまでになくTry&Deathを繰り返すこととなった。おまけに「輪の都」では、精神的にキツい造形の敵が多く、緊張感に加えてSAN値を削り取られること甚だしい(特に”説教者”。姿が見えないのにブツブツ呟く声が聞こえるのは本当に堪える)。初見プレイの人たちは正にこれを味わっていたのか、と今更ながら実感する。本当に疲れた。それだけにエリアを突破した際の開放感は最高だ。

ボス戦についても本編のボスに劣らぬギミックや効果を加えたやり応えのある内容だった。とは言うものの、ボス戦の難易度は本編よりやや控えめかもしれない。さすがに本編の「無名の王」ほどに手古摺ることにはならなかった。これは自身の慣れもあるだろうが。各ボスについて簡単に所感を述べると以下の通りだ。

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王者の墓守&墓守の大狼

→3戦目で撃破。HP別々の2体同時型ボス初登場。大狼出現までに墓守を倒しきれなかったので長期戦に。距離を取り、突進する大狼をチマチマ削り、その後に墓守を倒して終了。攻略動画を見ずにクリア。

修道女フリーデ

→初の3形態変化。20戦程で撃破。DLCでは一番苦労した。攻略動画を見ても完全ソロでは攻略できず、NPC白霊の力を借りて撃破。強靭度が低いのでNPCと攻撃を畳みかけてごり押しして何とかクリア。

デーモンの王子

→2体同時&第2形態あり。3戦目で撃破。吹き溜まり攻略で心が折れかけていたので早々にNPC白霊2体を召喚。2体ともNPC屈指の強さを誇るので、自分が死ななければ余裕でクリアできる。攻略動画を見ずにクリア。

教会の槍ハーフライト

→オンライン闇霊が召喚される特殊ボス。自分はオフラインなのでハーフライトが召喚。2戦目で撃破。1戦目は仕様が分からず敗北したが、ボスも絵画守も強靭度が低いので特大剣でごり押し可能。ツヴァイヘンダー強し。攻略動画を見ずにクリア。

闇喰らいのミディール

→本作屈指の大型ボス。15戦程で撃破。攻略動画を見て攻撃パターンを把握して10戦程でクリアした。最大の敵はカメラワーク。致死の白霧は使用せず。

奴隷騎士ゲール

→最終ボス。5戦目でクリア。第3形態まで変化する多彩な攻撃を持つボス。「深淵の看視者+無銘の王(第2形態)」と言った仕様で、攻撃の隙が分かりやすく、意外と早くクリアできた。攻略動画未視聴。個人的に一番戦って楽しいボスだった。

 

 

DLCとも「ステージは本編より難しく、ボス戦はやや本編より簡単」と言った印象だ。精神的疲労感は大きいが、満足度の高いプレイ内容だったと言える。

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ストーリー所感:哀しき奴隷騎士の小さな物語。

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『ダークソウルⅢ』本編は、感想記事でも書いたように「世界の在り方を描く」大きな物語だった。翻って2編のDLCはキャラクターに焦点をあてる小さな物語であったと感じる。

主人公は一人の老いた奴隷騎士だ。彼は物語の中で一つの世界を炎に包み、一つの都市を終焉に導き、その企みにプレイヤーを巻き込むことになる。その目的は主の為。主であり、世界を創造する画家である少女。彼女が新たな絵画を描く、ただそれだけのために老騎士は己の破滅を顧みずに物語の結末へと突き進む。

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ラスボスでもあり、DLC2編の実質的主人公でもある奴隷騎士ゲールの存在が素晴らしい。ゲールはラスボス戦の大剣、クロスボウ、奇跡、呪術を駆使した戦いぶりからも伺えるように、正に歴戦の古強者であり、アリアンデルの崩壊を導いた策士でもある、中々に曲者な男だ。その彼の目的が、ただひたすらに主の少女の為、と言うのが泣かせる。少女の願いを叶えるため、意志と覚悟を以て悪を成す。まさかダクソでこれほどの浪花節を見ることが出来るとは思わなかった。こういった曲者キャラが至誠に殉ずる、という展開に弱いのだ。物語の最後に己の破滅と引き換えに顔料をプレイヤーに託す姿のなんと漢であることよ。もうこれだけで大満足だ。

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ゲール撃破後のアリアンデルにて。「お爺ちゃん」の言葉がまた泣かせる...

本編同様物語の詳細が直接語られることはなく、プレイヤーの考察の余地が大きい点は相変わらずだが、それだけに妄想が捗るというものだ。本編のNPCイベントも名作が多かったが、それをDLCとして発展させる試みのようにも思える。本編で大きな物語が完結した後の展開としてベストだと思う。個人的にはゲール爺視点の物語を小説なり別のメディアで読みたいものだ、と感じさせる内容だった。

また、DLC唯一のNPCイベントとして「記憶をなくしたラップ」が意義深かった。このラップ、ダクソ3屈指の良い人なのだが、なんとその正体は本編屈指の下種キャラ(誉め言葉)”不屈のパッチ”。ダークソウル1~3に渡る神話級の時間の流れの中で、皆勤賞を果たしてきたパッチ。この世界で不死人は、肉体が滅びずとも魂が滅びることで亡者となる。その世界で正に永遠とも言える時間を亡者とならずに生き抜いてきたパッチ。だからこそ彼の二つ名は”不屈”なのだろう。

その彼ですら亡者化が進み、記憶をなくし、だがそれに抗するように己の記憶を求めるその歩みにプレイヤーは付き合うことになる。

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ラップ良い人。でも正体はパッチ。

イベントの終幕には”いつもの”展開が待っているが、そこでラップ₌パッチが呟く。

…だが、それでこそ人の道なのかもな。せいぜい祈ってるぜ。あんたに暗黒の魂あれ。

やっぱり最高だな、パッチ。グレイラッドのイベントから、彼がただの木っ端悪役ではないことが伺えますが、シリーズ最後を飾るDLCにこのイベントを用意するのは、前作通じてのファンなら感慨もひとしおだろう。でもこの展開だと新作の『SEKIRO』でもパッチは登場するんじゃないかなあ。

ストーリー的にはまさしく番外編的な内容ではあるが、火継ぎの物語のサイド・ストーリーとして素晴らしい内容だった。

オンラインに挑戦

DLCプレイ前に、誓約アイテム蒐集のため、オンラインプレイにも挑戦した。最後に簡単に所感を残しておく。誓約霊については流石にマッチングしないので、マラソンでアイテムを集めた。したがってオンラインは主に「太陽の戦士」と「積む者」でプレイした。「太陽の戦士」はほぼボス戦のサポートをしたのだが、こちらは終盤のボスであればすぐにマッチングした。そのためさして時間もかからずメダルを収集できたうえ、ボス戦の良い練習になる。DLCのボス戦を意外に苦労しなかったのはこのためだろう。「積む者」も終盤のステージであればだいたい侵入可能だった。こちらは「太陽の戦士」より難易度は高いが、ホストではなく霊体を倒しても骨はもらえるので。「ロザリアの指」よりは難易度は低い。侵入先のホストの対応も様々で楽しい。待ち構えて一騎打ちを挑む闇霊狩り、無視して攻略を目指すホスト、侵入そのものを楽しむホストなど様々で、かなり楽しめた。

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侵入時の変態ルックはご定番。

オンラインでのプレイは本編とは全く別物。本編の世界観を崩しかねないが、この緩い繋がりのプレイが楽しい。見知らぬ誰かと時に共闘し、時に敵対する。言葉ではなくジェスチャーで意思を交わすやり取りがこれほど面白いとは思わなかった。サーバーに人がいるようなら今後も時々プレイするだろう。