『NieRAutomata 』 1週目クリア後感想:嗜好性の塊。全方位向け。

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『NieR:Automata』。1週目Aルートをクリアしたのでとりあえずの感想。

目につくサブクエストを全て手掛けていくと思いのほか時間がかかり、Aルートクリアまで20時間ほどかかった。メインシナリオだけ追っていけば半分もかからないだろう。そういう意味ではボリュームにやや不満が残るのだが、本作はマルチエンディングと言うより、周回を重ねていくことで物語が進む作品のようなので、一通りのエンディングクリアまで、ボリュームについての評価は保留としておく。

作品としての総評は、メインシナリオ全てのクリア後に改めて書く予定なので、本稿は軽めに済ませておく。

まず感じたのは、とにかく本作の詰め込み具合である。なんというか、性別問わずライトも含めたオタク層をターゲットに、これだけ詰め込みゃどれかに引っかかるだろう、と言わんばかりに様々な嗜好が詰め込まれている。主人公の2B(フェチの塊)、9S(ショタ向け)で男女の性癖を鷲掴みにするだけでなく、廃墟、レトロフューチャー、重機、巨大ロボ、巨大怪獣と、オタク嗜好のある人ならば、何かしら琴線に触れるものがあるはずだ。洗練された手法とは言い難いが、「これを見てくれ!好きだろう?お前ら!」と言わんばかりの暴力的なパワーは感じられた。

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音楽とフィールドデザインは秀逸の一言。これまでプレイしたゲームの中でも三指に入る。人類が地球を去ってから数百年後の地球が舞台となる本作は、訪れるマップの全てが廃墟となっている。大都市、遊園地、砂漠、森林などそれぞれ朽ち果てた建造物と自然とのコントラストが素晴らしい造形となっている。その探索を演出する音楽もまた素晴らしい。久々にOSTを買いたくなった出来だ。グラフィックについては2017年という発売時期を考えると、正直それほど質が高いとは言い難いのだが、デザインのセンスがそれを補っていると言えるだろう。

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ストーリーについては現時点では評価できない。1週目のエンディングであるAルートだけでは物語はほとんど進んでいないからだ。Aルート自体は世界観とキャラクターの紹介という印象だったため、これだけで本作のシナリオを評価するには無理がある。Aルートで投げっぱなしになっている伏線や背景が、2週目以降で明らかになると予想しているので、評価はその後にしておくべきだろう。

ただ、Aルート序盤から不安、というか不穏な雰囲気に溢れている。エイリアンに地球が侵略され、月に人類が逃れて数百年。地球を舞台に人類側のアンドロイドと、エイリアン側の機械生命体との闘争を描く本作。感情を持たないと言いながら感情に溢れたアンドロイド、姿を見せない人類、逃亡兵の存在など、不穏な要素がそこかしこに配置され、どうにもハッピーエンドにつながるとは思えない伏線が多すぎる。かなり期待できそうな雰囲気ではある。どうも一部キャラの反応を見る限り、何らかのループ的な要素があるようにも感じられる。既に人類もエイリアンも絶滅し、アンドロイドと機械生命体とで予定調和な戦闘を繰り返している、と言うような...。そのあたりも2週目以降で分かるだろう。

現在2週目に着手中。シナリオの全体像が見える程度までクリアした後に、総評を書きたいと思う。