『嗜血印 Bloody Spell』スキンが本体なDMC風武侠アクション

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『嗜血印 Bloody Spell』をクリア。所要時間は約10時間。現時点では未だアーリーアクセス中の作品であるため、ストーリーは完結していない模様。

ジャンルとしてはスタイリッシュ武侠アクションと言った趣で、中華テイストなDMC(Devil May Cry)と言った例えが個人的には腑に落ちる。

一応日本語対応済と言うことになっているのだが、ローカライズは現時点で良く言って6割と言った所で、後半のシナリオやスキル画面など半分近くは中国語のまま。ローカライズの出来を評価する段階にはない。そのためシナリオ自体はほとんど気にせずプレイしたのだが、一応は謎の組織とやらに攫われた妹を救出するというのが粗筋のようだ。ともあれローカライズの出来もシナリオも、プレイするうえでの大きな阻害にはなっていない程度の出来にはなっている。この辺りはアーリーアクセスを卒業すれば品質の向上も期待できるかもしれない。

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アクションとしての出来は中々良い。大剣や双剣、偃月刀など6種類の武器とそれぞれに対応した技(コンボ)の種類も豊富。武器による使い勝手はかなり異なり、それぞれ使用する程に熟練度が上がり、コンボ技を追加することが出来るので、様々な武器を使い分ける楽しみもある。

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所謂無双系やDMCライクな作品に比べると、モブも含めた敵がやや硬く作られているので、攻撃一辺倒でひたすらゴリ押すというのは難しい。敵の攻撃を掻い潜りつつ、周囲を巻き込むコンボをキメて行くのが王道の攻略だろう。中盤以降ではPerkでジャスト回避によるバレット・タイムを発動できるようになるため、スタイリッシュなコンボを継続的に決めることが出来るようになり、かなり爽快な戦闘が楽しめる。

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タイトルでもありPerkである処の”嗜血印”については正直それほど使いこなせなかった。パッシブとアクティブのスキルに分かれているが、特にアクティブ系のスキルはほぼ使用することは無かった。通常攻撃のコンボで十分通用するからなのだが、常時発動系のパッシブスキルでもMPを消費するため、今一つアクティブ系のスキルで貴重なMPを消費するだけの理由が見当たらないことも原因の一つだ。正直折角のPerkが死んでいるのでこれは製品版に向けて何らかの修正が必要だと思う。

ちなみに本作の評価でしばしば”中華版ダクソ”だとか”ソウルライク”という表現も見かけるが、その言はあてにしない方が良い。個人的な評価としては本作にダクソ的な要素はほとんど存在しない。ゲームとしてのジャンルや世界観、演出に至るまでソウルシリーズとは全く異なるものだ。ソウルライクを期待して購入すると当てが外れるので注意されたし。ただアクションとしては楽しめる内容なので、購入して損になることは無いだろう。

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しかし本作最大の売りは、アクションゲームとしての個性と言うよりは、その豊富なMOD、とりわけスキンの多彩さにあると言って良いだろう。

”MODの女王”である処の2Bをはじめとして、他作品の多彩なキャラクタースキンがMODとして利用可能だ。Steamワークショップに対応しているため、適用も非常に簡単。

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 『NieR:Automata』からA2のスキン。

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Final Fantasy 13』からみんな大好きライトニングさん。

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『Witcher3 Wild Hunt』からシリ。

前述したように、本作はローカライズが未完成であるため、後半のシナリオをほとんど読み飛ばすことになる為、余計な感情移入が無い分、思うままにスキンを適用して好きなキャラで爽快なアクションを楽しむのが吉と言うべきだろう。

ちなみに第45代メリケン国大統領のスキンもある。

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本作の主人公は男性だが、特定の装備を身に着けることで女性に性別を変えられる設定となっている。女性キャラははっきり言えばエロさが売りとなっているので、男性キャラのように装備を付けても見た目には全く反映しないという潔さだ。そもそも公式が配布しているスキンですら下の画像のような内容だし。

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”さあこのエッティなスキンで楽しんでくれ”と言わんばかりにMODも賑わう本作だが、スキンを適用すると、操作キャラが全て女性設定が適用されるようだ。そのため先に挙げた大統領スキンを使うと、移動は内股、攻撃や被ダメ時にセクシーな声を発する大統領と言う珍妙なシーンを楽しむことが出来る。

正直色々なスキンを楽しむために2週したくらいなので、本作をプレイするなら色々なスキンを試してみることをお勧めする。 

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まだアーリーアクセスであるため最終的な評価は難しいが、アクションゲームとしては無難に楽しめる内容。セール時には¥1000以下となることも多く、その値段であれば十分な内容だ。ただし、スキンの多彩さほどにはそのシナリオやゲーム内容に特筆する点は無いので、これが製品版までにどこまで進化するかにその評価はかかっているだろう(ちゃんとアーリーアクセスを終了できるなら、の話だが)。