『Mini Transport』 極限までにシンプルなデザインの格安物流シム

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『Mini Transport』をクリア。所要時間は2.4時間。物流系シムをプレイしたくて探しているうちに見つけた作品。個人製作の作品で購入時はセール価格だったので¥50、通常時でも¥100と格安。

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特徴はその圧倒的なまでにシンプルなデザイン。点と線だけで物流網を描き、指定された商品を指定された数だけ販売すればクリアとなる。点となるノードは4種類。青は1次産業品、赤は2次産業品の生産、緑は工場、橙は出荷先だ。ノードとノードを繋げることで物流が機能する。原材料と工場のノードを繋げれば製品を作り、工場と出荷先のノードを繋げれば製品が販売され、資金が増える。日本語化未対応で対応原語は英語と中国語のみだが、見た目のみならずシステムもシンプルなので非常に分かりやすい。

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シンプルで分かりやすいデザインである一方、難易度はなかなかシビア。維持費のために結構な勢いで手元資金が減っていく。おまけにプレイ開始時点でほとんどのノードは隠されており、開放するにはそれぞれのタイルを購入する必要がある。更にノード間にラインを引くと、そこに人員が配置されて人件費が発生してランニングコストが増加して、資金が減るスピードに拍車がかかる。考えなしにノードを開放し、物流網を構築していくと、あっという間に手元資金がショートしてGame Overとなる。

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攻略のコツとしては、慌てて製品の生産を始めないこと。出荷先は何でも購入してくれるので、まずは原材料を販売して資金を貯める必要がある。ある程度の資金が貯まってから製品の生産と納入を開始すること。納入する製品が複数ある場合には順番に片付ける事。複数の製品を同時に生産・出荷しようとすると、ランニングコストですぐに破産してしまう。また、各物流ラインの人員を増やすことで物流のスピードが上がるので、資金調達の要となるラインの人員は増やしておけば資金調達がより安定する。

一見するとパズルゲームのようにも見えるし、プレイ当初はそう感じたのだが、本作は立派な物流シム。パズルゲームの感覚でプレイしているとクリアは難しい。個人製作で開発コストが低いことを逆手に取った、極端にシンプルなデザインで本作を作り上げたお手並みは見事だ。以前批評を書いた『Blueprint Tycoon』も同様のコンセプトだったが、本作は更に徹底している。適度にシビアな難易度も、個人的には好感触だ。

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惜しいのはボリュームが少ない事。3段階の難易度があり、各難易度で1面ずつしかプレイできない。サンドボックスを作ってユーザーコミュニティに開放すればそこそこに盛り上がりそうな気もする。とはいえ格安な作品なのでコスパは十分以上だ。

恐らくウィンターセールでもまたセール対象になると思われるので、物流シムに興味のある方は購入を検討してみるのも良いだろう。

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本作についての紹介動画を作成したのでご視聴いただけるとありがたいです。

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