『RAGE』値段なりには楽める

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ベゼスダ・ソフトワークスの『RAGE』をクリア。2010年発売のゲームを今更ながらプレイした訳だが、ちょっと評価に困る作品。難易度はイージーでプレイしてクリアまで10時間程度。難易度を上げて再プレイ、と言うほどにはのめりこむことはなかった。

 

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このゲーム、とにかく長所と短所がとても分かりやすい。可もなく不可もない作品と比べればよほど自分好みではある。

それぞれいくつか挙げてみると、

長所

・世界観とグラフィック

所謂マッドマックス的世界観のポストアポカリプスを舞台にしたFPSであり、発売された2010年という時期を考慮すれば、この世界観をこの品質のグラフィックで実現したのはさぞ魅力的だったのではないだろうか。さすがに同様の作品が多くなった昨今では新鮮味に欠けることは否めないが、時代を考えれば十分魅力的と言える。

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・バラエティに富んだ戦闘ステージ

それほどボリュームのある作品ではないが、ミッション毎に用意された戦闘ステージはなかなか多岐にわたっている。都市の廃墟、谷間に構築された砦、発電所、地下のバンカーなど、それぞれ特徴のあるステージとなっており、プレイしても飽きない。

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・乗り物の操作性

個人的にはこの点が一番評価が高い。ファストトラベルのない本作は、基本的にミッション毎の移動をバギー等の乗り物で行うが、この操作性が非常に良い。ウェイストランドをバギーで駆け抜け、敵の車両をミニガンやミサイルで吹っ飛ばす爽快感は抜きんでている。それだけに移動手段以上の用途が無かったことは少し残念。

短所

・似非オープンワールド

一応オープンワールドと評されることもある本作だが、実際のところ一本道ゲームと言ってよいだろう。だが欠点となるのはそこではない。本作は世界観とグラフィックが一つの売りだと思うのだが、実際に画面に見えている世界でプレイヤーが行くことが出来るエリアがとにかく狭く限られている。その点が最大の欠点だ。せっかくの魅力的な風景も、大半がただの背景絵では興ざめする。シナリオが一本道であるのは構わない。しかしフィールドまでがただ用意された一本道をたどるだけと言うのはちょっと厳しいと言わざるを得ない。

・淡白なストーリーとキャラクター

一応シナリオに沿って進むゲームではあるのだが、ストーリーはあってなきがごとしだ。コールドスリープから覚めた主人公が、ひたすら事件に巻き込まれながらお使いミッションをこなしてゆくだけの内容と言ってよい。全く起伏のないシナリオで、最後もひどくあっさり終幕を迎える。キャラクターも次々と入れ替わるだけで活かしきれていない。ビジュアルはいいんだけどね。

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・プレイヤーキャラの操作性

この点は好みが分かれると思うのだが、全体的に操作感がもっさりしすぎていると感じた。ダッシュは遅く、すぐに息切れするし、ジャンプは高さが足りず、ほとんど意味がない。武器の取り扱いはさすがに良く出来ていると思うが、基本的な所作のスピード感が足りず、結構フラストレーションを感じた。

総評

結局のところ評価はどうなんだ、と言われると、まあ暇つぶしにはなるんじゃないかと言ったところか。他に積みゲーがあるのであれば敢えて買う必要もないだろう。ましてや今更フルプライスで買う意味はない。自分はSTEAMのセールで¥275で買ったが、あくまでその値段での評価だ。正直なところセール時に同じ程度で買える『S.T.A.L.K.E.R』のほうがFPSとしては満足度は高いと思う。こちらはボリュームが本作の2倍以上あるし、武器のバリエーションもはるかに豊富で、敵AIもシビアだ。何より殺伐としていて、本作のように過剰に映画チックではないのが最高だ。

ベゼスダは2019年に続編をリリースする予定だが、一体どのような内容になるのだろうか?COOPゲームが主流の現在、ソロ専用で本作程度のボリュームでは正直話にならないと思う。かといってソロ専用のキャンペーンモードとCOOPモードを半端に実装すると、結局どちらも満足する内容にはならないだろう(『Destiny2』がそうだった)。続編の題材としては非常に難しいところだと思うが、それだけに続報が楽しみな作品でもある。