『METAL WOLF CHAOS XD』大 統 領 魂

f:id:Martin-A:20210116090341j:plain

METAL WOLF CHAOS XD』をクリア。所要時間は約17時間。

昨年のサマーセールで購入してこれまで温めておいた作品。以前クリアした『Project Numbus』同様ACライクなゲームをプレイしたかったのが購入の動機だったが(半ば予想通りに)良い意味で裏切られた作品だった。

f:id:Martin-A:20210116091141j:plain

舞台は2020年代アメリカ。副大統領と軍部によるクーデターが発生しアメリカ全土が制圧される中、第47代アメリカ大統領マイケル・ウィルソン・Jrは大統領専用(この時点ですでにおかしい)特殊起動重装甲「メタルウルフ」に乗り込みアメリカを奪還する戦いを開始する。

f:id:Martin-A:20210116091900j:plain

正直プロットの時点で相当にイカれているのだが、登場人物がまたキャラが立っている。ノリノリでアメリカ奪還作戦をサポートする大統領秘書官や、やたらと国民を殺したがる黒幕の副大統領。極めつけは主人公である処の大統領マイケルだ。

単身ロボに乗り込みアメリカ軍とガチンコするというだけで相当だが、とにかく常にハイテンション。レッツパーリィな感覚でアメリカ各地で破壊と大混乱を巻き起こす。口癖は「何故なら、私はアメリカ合衆国大統領だからだっ!!」。

f:id:Martin-A:20210116092659j:plain

f:id:Martin-A:20210116092716j:plain

とりあえずこの作品ではアメリカ大統領たるもの不可能を可能にする存在でなくてはならないらしい。単騎で軍隊と戦うなど序の口、果ては宇宙にまで乗り込み敵を殲滅し、そのまま大気圏を突入して帰還してしまう。全てのツッコミは「何故なら、私はアメリカ合衆国大統領だからだ!」で全て解決。今で言えばめいくあめりかぐれーとあげいんってヤツですよ。いやー最高ですね、こういうノリは大好き。

f:id:Martin-A:20210116093147j:plain

しかも本作の開発元は”あの”フロム・ソフトウェア。今でこそ『DARKSOULS』や『ARMORED CORE』などハードかつシビアなシナリオや作風で知られる同社が且つてはこんなハジけた作品を作っていたというのが面白い。80年代のB級アクションと見まごうばかりのこのノリは意図的なものだと思うが、開発中にどうも制御が効かなくなってしまったとしか思えない。今回プレイしたのは2019年に発売されたリマスター版だが元は2004年に日本でのみXboxで発売された作品。それが海外でも話題となりカルト的な人気を博し、10年以上の時を経て再発売されるというのだから素晴らしい。

f:id:Martin-A:20210116094007j:plain

f:id:Martin-A:20210116094024j:plain

大 統 領 魂。

本作を評価するならもうこれだけでいいんじゃないかな。アメリカンスピリッツならぬプレジデンツスピリッツ。

f:id:Martin-A:20210116094257j:plain

大統領の話をしていると止まらないのでゲーム内容についても書いておくとしよう(いやブログ的にはそっちが本題なんだが)。

最初に書いたようにACライクなゲームを求めて本作をプレイしたのだが、プレイングフィールは相当に異なる。同じロボット系のアクションシューティングでも、機動性が高く操作も複雑で慣れを要求されるACシリーズと比べると、本作の操作感は非常にカジュアル。速度や機動性においてACに譲る分、操作は容易で敷居は低い。

基本的にトリガーハッピーなゲーム性で、ひたすら動き回りつつ銃やミサイルを撃ちまくり敵やターゲットを破壊しつくす本作はACとは全く異なるゲーム性と言って良いだろう。本作を購入した意図とはだいぶ離れたゲーム性ではあるが、これはこれで非常に爽快で、ひたすら破壊のカタルシスに酔いしれることが出来る。

f:id:Martin-A:20210116104330j:plain

ステージのバリエーションも非常に豊富。アメリカ全土を舞台に暴れまわる本作のステージはサンフランシスコでの市街戦やグランドキャニオンでの峡谷バトル、マイアミビーチや地下の軍事基地などそれぞれ個性的で飽きさせない。

f:id:Martin-A:20210116104517j:plain

f:id:Martin-A:20210116104538j:plain

各ミッションの内容も基本のターゲット破壊ミッションをはじめとして時間制限ミッションや、ボスキャラ的存在の巨大兵器破壊ミッションなどなかなかに多様。この辺りは流石にACシリーズのフロム・ソフトウェア。実に手慣れたものだ。ミッション数やボリュームについてはそれほど多くはない本作ではあるが、捕虜救出や武器の開発・獲得、様々な隠し要素など周回プレイを想定した設計となっている。クリアまで10時間かからない程度の内容だが、1周で終わりにするには惜しい内容。実際に自分も追加の武器を試す目的で2周プレイしたほどだ。

f:id:Martin-A:20210116104927j:plain

結果としては大満足の内容。シナリオやキャラクターのアクが強いので一般受けするとは全く思わないが、お好きな人には堪らないという作品。ネタとして楽しむもよし、ガチでプレイするもよしだ。

ちなみに主人公である大統領マイケル・ウィルソン・Jrは第47代アメリカ大統領という設定。近々就任するバイデン大統領が第46代。つまり次の大統領は...。

f:id:Martin-A:20210116105255j:plain

f:id:Martin-A:20210116105307j:plain

アメリカの夜明けは近い!