BS1スペシャル「欲望の資本主義2018 闇の力が目覚めるとき」:新年一発目でコレは辛い

1/3にBS1で放送された「欲望の資本主義2018 闇の力が目覚めるとき」を視聴しました。この番組昨年も放送されていて、視聴した記憶がある(中身はさっぱり覚えていませんが)ので、一応録画しておいた次第です。

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で、感想なのですが、はっきり言って時間の無駄としか言いようがありませんでした。正直なところここまで内容がスカスカの番組とは思いませんでした。この番組を企画した人物が、番組を通して何を訴えたかったのか最後までさっぱり分かりませんでした。

2018年新春。新たな年の始まりに、私たちはどこから来て、どこに居て、どこへ向かおうとしているのか?ぜひ一緒に考えましょう。 

 番組のプロデューサーはこのようなコメントをしていますが、要するに問題意識もそれに対する答えもなく、漠然としたテーマだけを基に各国の知見者のコメントを繋いで番組を作っただけの粗悪な代物としか思えませんでした。インタビュー・ドキュメントと称してはいますが単なるコメント集以上のものではないでしょう。

一応タイトルにもあるように、現代における資本主義のあり方が番組のテーマであり、それが現在ある種の行き詰まりを見せているのではないか、と言うことを問うているのですが、なんと言うか何を焦点に話をしたいのかわからないのですよ。テクノロジーの発展と成長の関係を話したかと思えば格差問題に移り、唐突にテーマがポピュリズムを巡る問題に変わったりと、個々の問題を見れば確かにそれぞれ現代社会における課題ではありますが、「欲望の資本主義」をテーマとした一貫性が全く感じられないのです。

企画者はおそらく資本主義が限界を迎えているのだと考えたいがためにこの番組を企画したのでしょうが、代替として挙げられるのがバーニー・サンダースに代表される社会主義的な思想という陳腐なもので、それはあくまで互いに補完関係にあるだけで代替でも何でもないだろうとツッコミを入れたくなるような内容ですし、資本主義のアンチテーゼとして今更マルクスシュンペーターはないだろうとしか言えません。全く新しい視点が感じられないのですよ。酒場の愚痴をアカデミズムで装ったものにすぎません。

サブタイトルにある「闇の力」とやらも結局その実態が何であるか明らかにされません。ポピュリズムグローバリズムが示唆的に言及されていますが、前者は資本主義と言うよりは民主主義の課題として扱うべきでしょうし、グローバリズムについてはあくまで先進国の中産階級の視点からのみその弊害が語られます。グローバリズムが実現した新興国における経済レベルの底上げなど、恩恵となる部分は全く言及されません。

テーマも曖昧で取り上げるトピックも陳腐。識者へのインタビューの間がモノローグじみたナレーションでつながれるのですが、この内容がまた情緒的なばかりで繋ぎになっていない。あまりにこのモノローグ部分が退屈なので何度も寝落ちしたくらいです。

敢えて見るほどの内容ではなかったというのが正直な感想です。そもそも「闇の力が目覚めるとき」なんてサブタイを大真面目につけるような番組を観るべきではありませんでした。厨二病か。